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身トレと科学の関係

身トレと科学の関係についてお問合せいただいた際には、「身トレは科学として立証されたものではない」と回答しておりますが、多くの方が以下の件について誤解されているかと思いますのでこの項で補足させていただきます。

■運動で骨肥大が起きるのは科学的事実

「運動で骨が肥大するなんて、あり得ない」という意見をいただくことがありますが、運動によって骨が形態変化(サイズアップを含む)を起こすことは、科学的に明らかにされています。

この生理現象は形態変化を伴わない骨代謝である「リモデリング」に対して、「モデリング(骨外膜での新生骨発生)」とよばれています。

モデリングに関わる学術論文はネットでも検索可能ですが、全て著作権を主張しており個人の引用に限るとの規定がありますので、興味のある方はご自身でお調べください。

これらの論文は複数の教授の査読を受け発表されたものですから「運動によってモデリングが起きる」という事実は科学的に肯定されていると考えるのが一般的です。

■モデリングの事例

よく知られるモデリングの事例は、テニスプレーヤーの利き手が長くなることでしょう。スポーツ選手でなくても、利き手の骨は、非利き手より長く、これらは「負荷量の差が原因」と考察されています。またテニスプレーヤーに関しては、成人後のモデリングも確認されています。

◆利き手は、非利き手よりも長い⇒ 負荷量の差によるモデリング

◆テニスプレーヤーの利き手は顕著に長い⇒ 負荷差の増大がモデリングを昂進

◆脚は、非利き足が長い⇒ 軸足として体重を支え負荷量が多くなる。脚でのモデリング

※左右差はmm単位

運動科学の分野では骨粗しょう症予防の観点から、運動と骨強度の関係性が研究されており、より精密な細胞レベルの観察によって運動によるモデリングが確認されています。

■モデリングと身トレの同一性

効果の面では、身トレだけが著しい肥大を引き起こすという違いがありますが、これは運動理論(方法)の違いに起因することであり、身トレによる骨肥大とモデリングは同一の生理現象であると考えられます。

以下に各論文に共通し(即ちモデリングを考察する際に一般性として認識される事象であり著作権の及ぶ範囲ではない)、身トレとも共通する項目を記します。

◆高強度の運動によって骨強度の向上が得られる。

◆骨強度向上に貢献するのは、形態変化のあるモデリングである。

◆長期の継続したトレーニングによってモデリングが起きる。

◆成長期以降もモデリングが起きる。

その他、各論文の本題であり著作権に関わる内容についても身トレの効果発現時期や判定基準に合致し矛盾がありません。

■科学ではない=手順の違い

理論乃至論理的に矛盾することがなくとも、「身トレは科学ではありません」と回答しているのは一重に手順の違いです。

現代科学として身トレを確立するためには、どのようなメカニカルストレスがモデリングを引き起こす要因であるかを特定し、年齢、性別、に合わせて必要なストレスを数値化し、その変化が代謝にどう影響するかを把握し、どうやって身トレと同じレベルまで肥大率を上げるか・・・といった具合に、科学として必要なプロセスを踏んでいく必要があります。

たとえその成果が身トレと同一のトレーニングになったとしても、このプロセスを省いたものを科学とは言いません。

身トレは、骨鍛錬として正解を与えられて伝承されたものであり、これらのプロセスは「失敗を切り捨てる」という方法で磨かれてきたものです。

■科学は最先端ではない

ニュートンが万有引力を唱える以前から地球には重力があり、ガリレオが地動説で有罪となる前に、基礎に誤りを含む天文航法でコロンブスやマゼランは海を渡ります。

ライト兄弟が初フライトに成功したときも、科学者は威厳をもって(つまり科学の遅れ、敗北を認め)「科学的には機械が飛ぶことは不可能」と宣言します。

科学は必ず事象の後に成立するものであり、物事が始まる前からある考えを科学とは言いません。

同様に科学に先んじた理論・事実に対し使われる言葉「科学的には不可能」とは、科学の遅れを認める言葉です。

身トレは科学ではありません。「研究30年」と言いますから、科学がここに到達するには、最低でもあと30年は必要となるでしょう。

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