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■身トレの成長理論(詳細)

成長期、骨は長さだけでなく太さも成長する
pohot :写真素材 足成

■形状変化をやめる大人の骨

成長期の骨では
①骨端線で起きる軟骨性骨化
②骨の外周で起きる膜性骨化

これら二つの成長が起きていて、これらを合わせて「モデリング(マクロモデリング)」と定義されています。 ところが、大人の骨はその両方をやめて形状変化のない「リモデリング」という骨代謝を始めます。

※マクロモデリングが骨の成長全体を指す言葉で、リモデリングは細胞を入れ替える代謝活動を指す言葉なので、相反する状態を表す言葉ではありません。
マクロモデリングが何によって制御されているかは「?」である
pohot :写真素材 足成

■リモデリング・モデリング

リモデリングは破骨細胞が骨の吸収を行い、そこに骨芽細胞が新しい骨をつくるというカップリングされた代謝が行われるため、骨量に変化はありません。

一方のモデリングの定義には成長期に見られる「マクロモデリング」と、細胞レベルで確認される「ミニモデリング」があり、ミニモデリングでは骨吸収なしに骨形成が起きます。

■マクロモデリング

成長期に起きるマクロモデリングでは、リモデリング同様に骨の入れ替えを行いながらも、ミニモデリングのような骨吸収しない骨形成が優位になり骨量が増加していくと考えられますが、骨吸収と骨形成のバランスをどの様に制御しているかはわかっていません。

身トレでは骨を伸ばせる

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■身トレでのモデリング

身トレでのモデリングは表面的な骨形成ではなく、伸びも含めた全体的な成長であることから、成長期のマクロモデリングに近いものですが、次のような特性が確認できるため、成長期とは異なるマクロモデリングが行われていると考えられます。

①成長期の年代でも、「身トレ・モデリング」への代謝変換が行われる。
②ストレスを掛けない骨にも、「身トレ・モデリング」の特性が現れる。
③しかし、非ストレス部には骨肥大が起きない。

②③の特性があるため、成長期のように体全体が大きくなるのではなく、特定部位を選択的に成長させることが可能です。また、これはストレス部の優先的強化と、他の骨の基礎的な強化が並行して実現されるため、特定運動への適応に効率的に機能することになり、この点も自然成長とは大きく異なるものです。

最も背が高い人
Robert Wadlow氏
杖は必需品だった

■自然成長の抑制

なぜ成長が停止するか?その理由は明確ではありません。
しかし手足が際限なく伸びれば、神経による統括に問題がでるでしょうし、二足歩行に必要な強度を確保するのも大変です。骨端線閉鎖による成長停止は結果から見れば、これらを防ぐ効果があることは確かです。

骨端線による成長 → 成長期間で抑制される

どんな負荷でも成長するなら左右差が拡大してしまう

■運動負荷での成長、その抑制

一方、身トレのように運動負荷によって起きる成長には、特定の負荷種類と適正な負荷量が必要です。

通常の運動では、この特殊な負荷の発生頻度が少ないため、それが抑制となり、左右差の拡大や突出骨の発生を防ぐ効果になっています。

運動負荷による成長 → 負荷の発生頻度で抑制される

カルシトニン
カルシウム濃度上昇で甲状腺から分泌され骨形成を相対的に増加させる。
逆の作用をもつ物質は副甲状腺から分泌されるパラトルモン
By Photo generated through PyMol by Der Yang - http://www.rcsb.org/pdb/explore.do?structureId=2GLH

■抑制の解除

身トレは「運動負荷による成長」の抑制を解除できるトレーニングですが、単純に適切な負荷を掛ければ成長するわけではなく、成長開始までには現象として確認できるだけでも複数の段階があります。

骨の代謝は、破骨細胞・骨芽細胞などの細胞レベルと、身体全体で血中カルシウム濃度の調整を行うホルモンによる制御の二重の制御があり、これらは単純な2X2のスイッチングではなく、タイミングや状態によって変化する複雑な制御が行われています。

また、骨細胞同士は脳細胞のように神経ネットワークを形成していることから、ストレスなどの情報交換を行っていると考えられており、この部分の関与は未だ解明されていません。

過ぎたるは・・・

■危険な過剰負荷

通常、破骨細胞は一定の骨吸収を終えると活動を停止しますが、炎症などの異常が発生した骨では活動を停止しません。骨芽細胞による骨形成も行われないため、目視可能なサイズで骨吸収が進行する例があります。

骨折時、粉砕され骨片になった骨は吸収除去される必要があり、これと同様な作用であると考えられますが、骨本体に異常な骨吸収が起きるのは深刻な事態です。

身トレでは指定方法を守る限り、このような事態に陥ることは不可能ですが、既往症がある方、とくに腎臓に疾患のある方は必ず事前にご相談ください。身トレでは骨代謝が変化しますので、血中カルシウム濃度が変化し、服用されるお薬によって、重大な事態になる可能性がございます。

また、自己流の骨鍛錬を実施してしまった場合も過剰負荷の懸念がありますので、必ず事前にご相談ください。


■書きかけです・・・

身トレの成長理論(詳細編)は情報量が膨大になるため、折をみて進めていく予定です。

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