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踵たたきの危険性

「踵たたき」について多くのお問合せをいただきますが、「踵たたき」は身トレをイメージだけで模倣した方法であり、身トレの成長理論から大きく外れるものです。

2014年の「身トレのHPを見て思いつき、自己流で踵を叩いてみたら背が伸びた」という書込みが起源のようで、そこから広まったと思われますが、内容的には2011~12年頃に販売されていた、「身トレの中古(ニセモノ)」と類似しておりますので、同様の健康被害が出ると考えられます。

以下に詳細を記しますが、「読むのが面倒」という中・高校生むけに先に述べておきます。
「踵たたき」で作った骨は、一生治らない障害になります。絶対にやってはいけません。

■踵叩きにみる共通性

匿名掲示板の書込みなので真偽は不明ですが、書込みの全てに共通項があります。ウソの書込みは、リアリティを出すために誰かを真似るので、結果として共通性を示します。つまりそれは、オリジナルをコピーした痕跡です。

踵たたきで背が伸びたという書込みに共通するのは次の2点。

①開始後1ヶ月未満で成長が始まる。 ②成長痛がない。

踵叩き身トレ
成長開始 1か月未満モデリング代謝への変換期間3か月が必要
成長痛なし成長痛あり。筋肉の成長が必要

■何が起きているのか?

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■前述の相違を統合して考えれば、

①骨強度上昇のない発達であり、踵骨全体の肥大化とは考え難い。

②局所的な骨の突出の可能性が高い。

③発生箇所は、骨格筋の張度に影響を与えない場所である。

④これらを満たす条件は骨格外での骨の発生、もしくは腱の骨化である。

■本当に伸びるのか?

異常骨や腱の骨化が足裏に定着すれば、結果としては身長は高くなるでしょう。しかし、本来あるべきでない所に骨ができてしまうので、加重すれば痛みや違和感がでるはずです。

これを我慢するという条件で考えても、1cm前後が限界と考えられます。正常に関節(接続)しない「浮いた骨」ですから、一定以上に鍛えようとしても粉砕されるか、周囲組織を傷付けることになり負荷を掛けられない状態になると予想されます。

無理な鍛錬が悪い結果を招くのは、空手では既に経験済みです。ハンマーと聞くだけで空手を辞めていった人の顔が思い出されます。

■結論として

中高生むけにハッキリと述べれば「踵たたき」を直ちに中止すべきです。

前述の仮説が正しい場合、異常骨が代謝(細胞の入れ替え)で消失できる水準を越えれば、除去不可能な骨として生涯残ることになるでしょう。

それは本来の運動能力を低下させ、皆さんの可能性を削る要因となり得ます。

また、異常な骨が定着してしまった後に身トレを行うことは不可能と予想されます。


■根本的原理の違い

私は「叩いて伸ばそう!」と書いた記憶は全くないのですが、空手の骨鍛錬と聞いて単純に「叩いて伸ばす」と連想したのだと思います。

身トレ販売開始の2011年頃から、この種の危険情報が繰り返し流されておりますが、骨肥大というのは「叩けば膨らむ」といった単純なものではありません。

もし骨がどんな負荷でも簡単に形状変化するなら、人間はもっと左右差の大きい、歪な形になるでしょう。

そうならないのは、成人の骨が形状変化のない「リモデリング」という代謝を行っているからです。

一方、骨肥大が起きるのは「モデリング代謝」です。代謝を「モデリング」へと変換するには、骨だけではなく消化器なども含めた全身的な変化が必要で、まず「リモデリング」を解除することから始めなければなりません。

身トレは、その解除方法を「環境・かたち・頻度・強度・コツ」といった大枠で囲み、その範囲内にあれば骨肥大が開始するというプログラムを作りました。

その大枠の中にあっても、定期的なカウンセリングや個人差による微調整が必要なため、初段・弐段・参段と三段階にコースを分離して連絡の機会を設けています。

空手が辿ってきた多くの失敗を回避するプログラムが身トレです。これに匹敵する方法を開発するなら、空手と同じ失敗の歴史を辿る必要がありますが、それは多くの場合、後戻りできない失敗になるでしょう。

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